ハブ茶のハブって何?

ハブ茶のハブって何?

ハブ茶は、決明子(ケツメイシ)というマメ科植物の種子を炒った豆茶です。
別名では、エビスグサやロッカクソウとも呼ばれています。
焙煎してあるので、香ばしく飲みやすいお茶ですが「ハブ茶」という呼び名が、毒蛇のハブを連想して、飲む勇気がない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで名称の由来を検索してみると、緩下作用があるためヘビ毒の解毒に使われたから、また、本来はハブソウ(同属別種)という植物のお茶でしたが収穫量が少ないため、代わりに栽培しやすくて似た成分を持つエビスグサを使うようになったとの説があります。
どちらも生薬で、ハブソウは望江南(ボウコウナン)、エビスグサは決明子(ケツメイシ)と分けています。
解毒だけでなく、目のかすみや充血、眼精疲労、肝機能改善に効果があるといわれ、美味しく頂ける薬草茶です。
特に春に起こる様々なトラブルが思い当たる方にお薦めです。

五行説のお話をしましょう。
五行説では、自然現象や人間の身体など全てを「木・火・土・金・水」のグループに分類して関連性を考えます。
「木」のグループには季節の「春」があります。
五臓では「肝」、感情では「怒」、トラブルが現われやすい部分では「目」、気を付けたい自然現象には「風」が「木」のグループに入ります。
そのつながりを読み解くと、「木(植物)」がのびのびと枝を伸ばし葉を生い茂らせ、生長する季節が「春」です。
春にのびのびと生長できないとストレスが溜まります。
ストレスの感情は「怒」に当たります。
怒の感情が真っ先に影響を与えるのは「肝」です。
肝のトラブルは「目」に表れます。
目の充血は怒の感情が起こしている一つの症状なのです。
また「風」が行き過ぎると、風邪(ふうじゃ)となり、皮膚の痒みや目のトラブル、めまいや頭痛を引き起こします。
風邪は外から侵入してくる邪なので、真っ先に皮膚にトラブルが現われるのです。
そこで、肝機能改善に良く、目の障害改善や、デトックス作用に効果があるハブ茶が春にお薦めのお茶になるのです。


決明子(エビスグサ)は育てやすく暑さに強い植物です。
初夏に黄色の花を咲かせ、収穫の秋には鞘の中に小さな種子が実りますので、フライパンで軽く焙煎して手作りのハブ茶を作ることができます。
春は、決明子の種まきにもちょうどいい季節ですね。