自宅にハーブがなくても植物園や薬草園に行けば、写真でお馴染みのハーブにたくさん出会うことができます。
そしてもう一カ所、元気なハーブに出会える場所に道端があります。
車を走らせている途中の路肩で良く見かけるハーブに、桑、葛、月見草、マレインやレッドクローバーなど。
ゆっくり散歩しながらであれば、小さな和のハーブもたくさん見つかることでしょう。
最近、道端に増えてきたハーブにマレインがあります。
マレイン、マーレイン、ビロウドモウズイカなどと呼ばれています。
背高なハーブで1~2mくらいあり、小さな黄色い花の集合(花穂)が上に向かってスッと伸びていますが、花穂だけでもかなりの長さがあります。
群生することがなく、ポツンポツンと生えるのが特徴です。
時には行儀良く等間隔に並んでいることはありますが、群れているところは見かけたことがありません。
大きいので仲間同士で寄り添うことが必要ないのか、孤独が好きなハーブなのか・・もっともあれだけ大きなハーブが群れているのは怖いと思いますが。
知名度が低いですが、古代ギリシアの薬草学の父・ディオスコリデスが呼吸器疾患に薦めていたり、北米の先住民も、咳止めや失神した人の意識を回復させることに使用したと言われ、昔から「鎮咳、去痰」に役立ってきたハーブです。
日本では明治時代に観賞用に輸入され、のちに喉に良いことから薬用たばこ・ニワタバコ(庭煙草)の名で利用されてきたそうですが、薬用の煙草があったことにも驚きます。
鎮咳ハーブには、空咳に向くものと痰が絡む咳に向くものがありますが、マレインはどちらにも効果があると言われています。
チンキを薄めてうがいに使うのも良いですね。
マレインを見かけるのは、車がビュンビュン通る広い道路の側道が多いようです。
いったいどこから運ばれてくるのでしょう。
果実ならば鳥が落としていきますが、花が終わったあとは小さな種しか残りません。
種には少し毒があるそうです。
近年、道端マレインは野生化して増えています。
成長が早く、春に姿を見かけるとあっという間にニョキニョキと伸びて花を咲かせ、夏には花が終わります。
運転中に見かけると採りたくてたまらないのですが、車を停める勇気がなく実現できていません。
マレインに興味をお持ちになった方、なるべく交通量の少ない道でマレインを見つけたら、採取してお持ち帰りしてみませんか。