
シモツケという低木があります。
また、シモツケの花によく似た花が咲くため名付けられた草本植物にシモツケソウ(またはクサシモツケ)があります。
名前の由来は下野(シモツケ)という地名です。
下野の国(今の栃木県)で発見され、よく見かけるからだそうです。
ところが最近では、西日本では絶滅危惧種になっているそうで、原因は自然変異や鹿害だそうです。
あちこちで耳にする鹿害は深刻ですね。
シモツケソウは3~5mmの小さな花が集まって花序になります。
遠くからでは綿のようにふんわりした雰囲気があり、近くで見ると一つ一つの花が長い雄しべを伸ばしているのが特徴です。
その様子が遠くからフワフワに見えるのです。
花からは、甘さの中に爽やかさのある香りが漂い、ミツバチもたくさん集まってきます。
花だけでなく根からも香りがするそうですが、確認するために根っこを掘り上げるのは大変なことです。
シモツケソウに良く似た花にメドウスィート(セイヨウナツユキソウ)があります。
シモツケソウは、セイヨウナツユキソウと見た目が似ていること、そして日本原産だったことから、ジャパニーズメドウスィートの別名があります。
セイヨウナツユキソウには鎮痛・解熱作用があり医薬品アスピリンの元となっており、薬草から医薬品に進化する時代を語る重要なメディカルハーブの一つです。
セイヨウナツユキソウと近い特徴をもっているシモツケソウは、同じく鎮痛作用があるようです。
「9世紀の前半、茎や花から鎮痛作用を持つ物質が抽出され、「SPRAEA」からスピール酸と名付けられた。これがアスピリンの原料である」とウィキペディア(Wikipedia)にあります。
同じ働きをする成分があることが分かりますが、今では医薬品ではなく美容分野で「シモツケソウエキス」「シモツケソウ花エキス」として活躍しています。
保湿作用、抗糖化作用、抗酸化作用、収斂作用があり、天然植物エキスとして、アンチエイジング効果が期待されているようです。
シモツケソウの花と出会ったら、香りを全身で感じてみましょう。
どなたにも好まれる甘く爽やかな香りは安心感や解放感をもたらすだけでなく、美しくなるイメージを楽しむことができます。

