冬のがんばりやさん 忍冬(スイカズラ・ハニーサックル・金銀花)

「忍冬(にんどう)」という植物があります。

寒い冬を忍びながら青い葉を守るその姿から付いた名前です。冬でも青い葉を付ける植物はたくさんありますが、忍冬はその葉を観察すると、寒さから身を守るようにクルッと葉を丸めています。
少し弱々しく、やっと冬を忍んでいる姿は健気で愛おしい植物です。

春から初夏になると一転して、葉はしっかり開き妖艶な香り高い花を咲かせます。

咲き始めは白色ですが次第に黄色に変化し、白と黄の花が咲き誇る様子に「金銀花」という別名が付いています。
花の盛りにはミツバチがたくさん飛び交います。
受粉をすると白が黄に変わると言われていますが、定かではないそうです。
また、なぜ色が変化するのかもはっきりしていないとか。

まだまだ知らないことが多い植物の世界ですが、神秘的なままでそっとしておくのも良いですね。

花の蜜を吸うことができるため「スイカズラ(吸い葛)」とも呼ばれ、砂糖が無い時代に甘味の材料として用いたと聞きますが、これも本当でしょうか。

日本原産ですが香りの良さからヨーロッパで人気が出て、品種改良されて「ハニーサックル」として精油やハーブティーに、「忍冬」「金銀花」としては漢方薬に活用され、まさに万能の植物です。

飲用や薬用だけでなく美容の効果も研究され、さまざまな化粧品にスイカズラ花エキスとして使用されています。

忍冬はつる性の低木でアーチやフェンスなどに絡みついているので、道端や空き地などでも見つけることができます。
寒い冬にクルッと縦に丸まった緑色の葉をもつ木があったら、もしかしたらそうかもしれません。
そのまま見守っていき、初夏に白と黄の花が咲いたら忍冬です。

厳寒に力強く立ち向かうのでなく、ひたすら寒さを忍んでいる様子は、私たちに勇気を与えてくれます。悩みや辛いことがあったとしても、なにくそと戦うだけでなく、じっと春を待ちながら力を蓄えることも必要だと教えてくれます。

そしてかならず花が咲く季節がおとずれます。

初夏に咲く明るく元気な金銀花からは、頑張ってよかったねとメッセージが届くような気がします。