『エーデルワイス』

エーデルワイス

ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中歌で知られるエーデルワイスは、
音楽教科書に掲載されたことから希少な高山植物として広く知られています。
名前の由来はドイツ語で「高貴な白」。

また花や葉が白く星型の花を咲かせるところから「アルプスの星」とも呼ばれます。
学名は、開いた花がライオンの足のように見えることから、属名がレオンポディオン(ライオンの足)。
種小名のアルピヌスは(高山の)という意味から「レオントポディウム アルピヌム」 ( Leontopodium alpinum )と名付けられました。

歌のイメージからは、繊細でか弱い様子を連想するかもしれませんが、アルプス山脈やピレネー山脈(標高3,000m以上)の強い紫外線や過酷な気温変化の中で生存するための自己保護物質を産生する力強い姿が本来の姿です。
白い星のような形をした部分は、花ではなく葉です。

この白い葉の中心に、何百もの細かい管のような形をした舌状花が集まっています。
舌状花はキク科に多く、ジャーマンカモミールやタンポポの白や黄の花びらも舌状花です。
強い紫外線に負けないエーデルワイスの含有成分にレオントポド酸がありますが、強い抗酸化作用があり、ハーブを学ぶ者としては健康や美容に活用したいところですが、高温多湿の日本ではなかなかお目にかかれません。

高山植物という上に、乾燥と多湿を嫌うという両極端で繊細な面があるので栽培が難しそうです。
ただし、苗を入手することはできますから、チャレンジすることは可能です。

以前、フランス産のドライのエーデルワイスを譲っていただいたことがあります。

ドライになっても全身が白くフワフワです。
貴重な数本をチンキにして化粧水のワークショップに活用しました。
関東近郊では群馬県中之条町に「山の上庭園」という植物園がありますが、エーデルワイスに出会うことができます。
白く繊細でロマンチックでありながらもたくましく貴重な姿が見られるのは6月~7月ですので、機会がありましたら足を運んでみるのもお薦めです。